私たちは知らず知らずのうちに、字が綺麗であることは良いことという刷り込みを受けています。小学校の授業において、書写の時間において、「トメ」、「ハネ」、「ハライ」をしっかりと教わります。
そして、字が綺麗であれば、知的である、性格がいいなどと思い込んでいる節があるのです。ホントに字が綺麗であれば、知的であるという図式が成り立つのでしょうか!?
また、汚い文字を書く人は、どのような性格を秘めているのでしょう。そこで今回は、文字の美醜と知性の関連性、筆跡心理学で読み解く汚い文字の2つの側面から紹介します。
文字の美醜で分かることってあるの!?
文字は綺麗にこしたことはないと、世間一般の人々は考えています。では、文字の美醜でいったいどんなことが分かるのでしょう。
そこで知能の面に目を向けて紹介していきます。
「文字」が汚くても頭がいいってホント?
字が汚いと言ったらマイナスな側面と捉え、頭脳明晰とは無縁と考えてしまいがちですが、事実は異なっているようです。予備校講師として長年の指導経験のある林修氏は次のように語っています。
東大合格者のトップ層は字が汚く、それに次ぐグループは字が美しいそうです。これを裏付けるように、某大手予備校で指導経験のある人はこのような体験をしています。
勉強ができる子には2つのタイプがあり、美しい文字を書く秀才と、本人にしか読めない文字を書く天才がいることに気付いたそうです。学生時代を思い返してみると、理系科目の得意な同級生はお世辞にも綺麗な文字を書いていたとは言えません。
おそらく、どんどんと答えが頭の中に思い浮かんで来ることから、字に注意を払うことはなかったのでしょう。
頭がいいのに文字が汚くなってしまうのは?
某大手予備校で指導していた経験者は、悪筆で頭がいい子は浮かんでくるアイデアに手や言葉が追い付かない傾向があると分析しています。
彼らにとってノートは、書きながら同時進行で考えるための道具であり、後で読み返すための目的で使用しているわけではありません。
福山雅治さんが主演した「ガリレオ」という天才物理学者が演じた、湯川先生がピンとひらめきスパークした際に見られる行動と同じことと考えると分かりやすいと思います。
つまり、勉強は他人のためではなく自分のために行うのであり、思考すること自体が楽しいという稀有な人であると言えます。採点していてハッと突出した考えに出合うのは、字が綺麗な生徒よりも汚い生徒が多かったそうです。
一方、美文字を書く生徒は、ルールを重んじ、周りとの調和を感じて行動するようなタイプと分析しています。また、ノートや採点者などへのアピール意識も感じられるそうです。つまり、美しい文字を書く人は、周囲との協調性やルールを重んじ、行動できる傾向にあります。
筆跡心理学から分析する、汚い文字!
フランスにおいては、「グラフォロジー」と呼ばれており大学の心理学科で研究が行われています。日本において筆跡心理学は、まだまだ知られていませんが、汚い文字を分析することができます。
一般的に汚いと思われているいくつかの具体例を挙げ、それぞれの特徴について説明していきます。
精神的に疲れている
「楽」という文字の「白」という部分が隙間なく書かれていたり、「停」の「口」の部分が潰れて書かれていたりする場合は、心が潰れてしまっていることを意味しています。文字の潰れは、すなわち心の乱れにつながることと、筆跡心理学では捉えます。
このような文字を書く人は、精神的にかなり疲弊していて、大変苦しい心理状態であることを示しています。言い換えれば、心がスッキリとせず鬱屈した思いが溜まっている可能性が高いです。
あなたの周りにこのような字を書く人がいれば、さりげなくもっと字を大きく書くようにアドバスしてあげましょう。
肉体的にもストレスを感じている
高齢の方がボールペンで文字を書けば、縦線や横線を書く際に線がズレてしまうことがあります。まるで書道において、なぞり書きをしたように線の歪みがすぐに判断できます。
このような字を書くように変化してしまった場合は、一時的に大きな精神的な負担を感じ、それが肉体にまで影響を及ぼしていることを意味しています。ただし、以下の場合は例外として考えるようにしてください。
使った紙が凸凹としていたり、机に凹凸があったり、持病があり、手や腕が震えたりなどは、上の傾向が見られる状態とは異なります。もしも周りに心当たりの人がいれば、気分転換するように声をかけてあげましょう。
自分に強い自信がある
通常の字体を崩して、一般の人に分からないような文字を書く人には次のような傾向が見られます。常に自信がある人はこのような字を書き、剣豪として有名な宮本武蔵もこの字を書いていたそうです。
何事にも動じることなく、集中力の高さも感じられます。第三者が読みにくいことを知ってか、知らずか、このような文字の書き方をしてしまいます。
あえて読んでもらう文字に読みにくい字を書くということは、読み手に判断を預けており、これでも大丈夫でしょという心理が見え隠れしているのです。
実に、大胆不敵な人物と言わざるを得ません。
自己中なワンマンタイプ
誰も判読不可能な独特の文字を書く人は、自己中心的な考えの持ち主です。文脈から推測して読まなければ、読み取ることはできません。
もはや読み手がいることは意識の中には、入ってもいませんから、創業者などにこのような特徴のある字が見られます。ちなみに、過去の歴史上の人物を挙げれば、織田信長はこのタイプに分類されるそうです。
まとめ
字が綺麗/汚いによって、単純に性格を分類することはできません。同時に、文字の美醜で知能の高低を決めつけることは意味をなさないことが分かります。
汚い文字でもいろんな特徴に注目して見ていけば、文字の表面には表れていない深層心理を知ることが可能です。
文字の余白がない文字を書く人は精神的な負担を抱えていることが考えられます。縦線や横線がまっすぐではなく、ズレてしまった場合は、肉体的なストレスを感じていることを意味しているのです。
楷書とは違った崩した文字を書く場合は、自分への強い自負を示しています。さらに10人中10人が読めない独特の字を書く人は、ワンマン経営者タイプです。