雑記

「躾」って漢字の成り立ちについて知っている!?漢字の意味は何?

子どもが生まれれば、嬉しさと同時に、親としての責任を感じる人も多いでしょう。

その中の1つに「躾」も含まれています。現代社会において親が幼い我が子へ接する方法は、両極端にブレているような気がしてなりません。子どもが言うことを聞かないからと「躾」という美名の名のもとに行われる虐待行為。

それがエスカレートして、最悪の事態を招いてしまうことも珍しくない今日この頃です。そうかと思えば、子どもの意のままに、のびのびと放任をはき違えて好き勝手させている親もいます。

もちろん、夫婦で協力し合って「躾」をきちんと行っている親御さんもいらっしゃいます。こんな世の中だからこそ、「躾」という文字の成り立ちや意味を振り返ってみることが大切です。

「躾」って漢字の成り立ちについて

中学時代の家庭科の授業で、「身」に「美しい」と書いて「しつけ」と読むのよと教わった記憶が鮮明に残っています。「躾」の根本が揺らぐ日本において、その意味を知っておくことはとても大切な気がしてなりません。

いったいどんな成立の背景があり、どんな意味を示しているのでしょうか?

習気(じっけ)と習気(しゅうき)と「仕付け」の混同

「習気(じっけ)」という仏教用語と、「習気(しゅうき)」という習慣を示す言葉が同じような意味として捉えられるようになってしまいました。

「習気(じっけ)」とは、ダイエットに成功したと喜んでいる人が、スイーツの広告を目にしただけで欲してしまうように、自分では欲望に打ち勝ったと思っていても欲望は残存していることを意味しています。

縫い目を荒く縫っておくことで縫い目をキレイにすることを「仕付け(しつけ)」と呼ばれていました。「習気」が広まっていく過程において「しつけ」という連用形の名詞化によって、「仕付け」と混同された背景があります。

よく考えて見ると、「しつけ」も「仕付け」もベースの部分では似通った意味を有しているのです。大きくなって子どもが困らないように行う「しつけ」と縫い目が美しくなるように行う仮止めの「躾」は、どちらも後のことを考えて行う点が共通しています。

これらが音の上からも、意味の上からも似ているため、同じように使われたとしてしまっても不思議ではありません。

「躾」が表している意味は?

中国由来ではない、日本オリジナルの漢字を国字と呼びます。

「畑」、「働く」、「匂う」、「峠(とうげ)」、「辻」など2,600字も存在しており、「畑」や「働く」は日本から中国へと進出した漢字の1つです。

国字の多くは、日常生活の中で使われているものが少なくなっているのが現状です。実は、「躾」という漢字は国字であり、武家の礼儀作法を意味する用語として作られました。

その頃には、すでに「仕付け」と「躾」は別物であると認識されていたようで、使い分けが行われていたそうです。「躾」には、身を美しく飾るという意味があり、あまり知られてはいませんが、「身」と「花」を組み合わせたものも誕生しました。

このように、昔の人は「しつけ」という文字にかなり好印象な漢字をあてていたのです。では、いったいなぜそのような漢字を使ったのか、次の章で考察してみたいと思います。

「躾」に「美」が使われているのは?

これは「躾」という文字を作った人にしかホントの理由は分からないと思います。しかしながら、漢字の意味などから推測して考えると次の2つにまとめることができます。

ポジティブな意味があるから

「美」という文字の成り立ちにはいくつか説がありますが、中国最古の字書によれば「羊」と「大」を組み合わせた、「会意文字」と言われています。羊は古の時代から神への供物として捧げられていた動物です。

大きな羊は供物としての値打ちがあり、大きいものは善いものと見なされていました。また、神への供物となるには美しく完全であることが求められたことから、「大」と「羊」を組み合わせて、「美」という文字が誕生しました。

大きなものは善い、大きなものは美しいと考えられていたようです。漢文学者の白川静香博士は、「美」という文字は「象形文字」と述べています。上半身を前から見た姿は「羊」を示し、「大」はメスの羊の腰を表しているそうです。

羊の体全体を上から見た姿を「美」というように考えているのです。

切なる親心が込められているから

古い時代の日本において家督相続を受け継いでいたのは長男でした。我が子を「羊」になぞらえたかどうかは分かりませんが、鎌倉時代においては謙虚であることが美徳とされており、それを子どもに教育していました。

物理的な建物としての「家」ではなく、家長を中心とした精神構造としての「家」を守り抜くために、自分の気持ちを殺してまでも、徹していく姿勢はまさに神への供物と重なって見えてしまいます。

どのような思いで子どもを教育していたのかは想像することはできませんが、現代よりも精神的に過酷なものであったということは間違いないでしょう。このような時代背景を踏まえて考えると、当時の親が子どもへ「気高くあれ」とエールを送っているようにも感じられるのです。

精神的な「家」の支柱として立っていくために、課せられたいろんな気持ちを「美」の一文字に込めているのかもしれません。

まとめ

「習気(じっけ)」と「習気(しゅうき)」が混同されました。

「習気」が世の中に広まっていくにつれ「しつけ」という形が定着すると、仮縫いの「仕付け」と誤って使われた経緯があります。しかしながら、どちらも仮の状態から正規の状態へと導くという点では共通していると言えます。

「躾」という漢字は中国から輸入したものではなく、日本で作られた国字です。

「躾」という字が誕生した頃には、「仕付け」と区別して使われるようになっていました。

これは推測に過ぎませんが、「躾」の文字に「美しい」という文字が使われているのは、「家」を守るために自己犠牲をいとわないような精神性の高さをうかがい知ることができます。

ちなみに、「躾」という文字以外にも「身」と「花」を組み合わせた文字も作られていたそうです。

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