俺は東京生まれHIPHOP育ち、悪そうな奴は大体友達。
ラッパーのZEEBRAさんが歌っている詩の一節でございます。HIPHOPな環境で育つと悪そうな友人と交流が増えるとのことですが、悪そうな奴なのは一旦置いておくこととして、大体友達ということは把握しきれていない相当数の友人関係が築けていることがわかります。
素晴らしいことですよね。親御さんはさぞかしお喜びのことと存じます。
さて、皆様のお子様にはどのように育ってほしいでしょうか。小学校に上がると、友達百人出来るかな、などとハードルの高い設定の歌もありますが、お子様の初めての外の環境は保育園か幼稚園になると思います。
各保育園や幼稚園では様々な教育方針を実施しています。入園した環境でどのようにお子様が育まれていくか、それが今後の人格形成において重要になります。今回は、保育園育ちと幼稚園育ちでどのような違いが生じるのか。どちらのほうが良いのかを考えていきたいと思います。
保育園と幼稚園の違いとは!?
まずは基本的な保育園と幼稚園の違いを理解しておきましょう。
~どんな場所?~
保育園:保護者に代わって乳児や幼児を預かる場所
幼稚園:未就学児の教育を行う場所
~年齢~
保育園:0歳から小学校入学前まで
幼稚園:3歳から小学校入学前まで
~時間~
保育園:7時くらいから18時くらいまで
幼稚園:9時から14時くらいまで
~管轄~
保育園:厚生労働省
幼稚園:文部科学省
~職員の免許~
保育園:保育士資格証明書
幼稚園:幼稚園教諭免許状
~保育料~
保育園:保護者の所得に応じて設定(自治体による)
幼稚園:自治体により一律 私立は設置者が一律に設定
~給食~
保育園:義務
幼稚園:任意
大体このような違いがありますが、一番注目すべき違いは目的です。
保育園は児童福祉法に基づき
『保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児や幼児を保育すること』(児童福祉法第39条)
を目的としています。
幼稚園は
『義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長すること』(学校教育法22条)
を目的としています。
かいつまんで説明すると保育園は、事情によって保育する余裕ない保護者のお子様を代わって保育します、で幼稚園は小学校に上がる前にお子様の教育含め心身の基礎体力付けます。みたいな理解で大体OKです。
なんとなく幼稚園のほうが頭良くなりそうな気がしますよね。教育を目標としているためでしょうね。一方保育園は、無理そうなら預かりますよーみたいなスタンスのように感じられますね。
でも昨今の保育園は独自で様々な教育カリキュラムを組んでいるところが多いです。
例えば英会話、音楽、体育、調理なんかも実践している保育園もあります。中にはアイロンがけや裁縫も行っているところも。幼稚園も勉強よりも公園でめちゃくちゃ遊ばせますみたいな方針のところもあります。
要は入園年齢や費用の違いはあれど、個々の方針が強く、保育園と幼稚園の違いはさほど無いようになってきました。
保育園育ちと幼稚園育ちで違いはでてくるの?
冒頭から両園での違いはあまり無くなってきていると結論づけてしまいましたが、果たして保育園で育った子と幼稚園で育った子に違いは生じるのでしょうか。
難しいのは『違い』とは何であるか、ということです。知力や体力、社交性や人間性、礼儀や独創性、様々な違いがありますよね。筆者の個人的な意見ですが保育園と幼稚園では、あまり変わらないと思っています。
何故かと言うと、筆者は保育園から幼稚園に転入したパターンの子だったのですが、両園とも記憶がほぼ無いのです。
覚えてることといえば、保育園ではテーブルからマットに飛び降りるという謎の時間で、カッコつけて前宙してやろうとテーブルからクルッと飛び降りたら案の定首の骨を折りかけた記憶と、幼稚園ではお泊り会の時に肝試し企画があって、筆者はガタガタ震えて頑なに拒否していた記憶のみです。
筆者は残念なことに悲しい記憶しかありませんが、何にせよあまり今の自分を形成しているとは思えないのです。今でも怒られることに極端に恐怖を覚えたり、お化け屋敷は絶対ムリなほどビビリではありますが。
ただし、もっと全体を見た時に少し違いは生まれるのかなとも思います。
例えば幼稚園は14時頃に閉園なのでその後に親子との時間を多く持つことが出来ます。その分お友達と居る時間は短くなります。反して保育園は長い時間家族外の人と居るので社交性が高くなる傾向があります。
その分家族との時間は減るので、子供ながらにいろいろと我慢させてしまうことはあるかもしれません。
結局幼稚園と保育園どっちがいいの!?
さて、色々と幼稚園と保育園の違いや特徴を書いていきましたが、結局のところどちらが良いのでしょう。正直どちらでも子供にとっては楽しく育める場所なんじゃないかと思います。むしろ今の時代は幼稚園や保育園もそのような場所にするために一生懸命です。
昨今の日本では『日本死ね』で大きく話題になりましたが、共働きがスタンダードになり、保育園の待機児童が目立ちます。一方幼稚園は預けられる時間の制限や費用において希望者が集わず定員割れしているところも少なくありません。施設側も必死なんだと思います。
メリット・デメリットやご家庭の事情を鑑みた上で、なおかつ個々の施設での教育方針を徹底リサーチしてご判断頂ければきっとお子様の健やかな成長をお任せできる場所が見つかると思います。多様化していく幼児教育の現場において、幼稚園と保育園はどちらがいいか、の二択の議論は既に本質的なもので無くなりつつあるのかもしれませんね。
まとめ
どっちも変わらない、みたいな結論にはなりましたが、何を選択するかはとても悩ましいと思います。
各ご家庭の事情と教育方針を軸に考えるのはもちろんですが、費用から始まり預かりの時間制限、通園までの道のりや、治安、環境に職員たちの能力等、考え出すとキリがありませんよね。それに待機児童の問題はもはや他人事ではありません。
厳しい時代なのは間違いないですが、努力を惜しまず我が子のために、そしてご自身の為にも一生懸命選定できれば、きっとお子様は幸せに楽しく園生活を送れると思いますよ。