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ショスタコーヴィチの交響曲で人気は何番の曲?名盤の説明も詳しく

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ショスタコーヴィチは、ソビエト連邦(今の「ロシア」)の作曲家で、当時の共産党と渡り合った骨のある人です。

作った曲が原因で、党の指導者や責任者に目を付けられ、死の危険と隣り合わせになりながら、必死で生き抜いたイメージがあります。

ロシア出身のクラシック音楽の作曲家と言うと、チャイコフスキーやラフマニノフ、ハチャトゥリアンが挙げられます。

親しみやすい曲が少ないとか、女性人気が低いと言われるショスタコーヴィチの曲ですが、ダイナミックで格好いい曲やジャズなどの現代音楽に通じる響きがあり、とても面白いです。

ショスタコーヴィチの交響曲 人気ランキング

 

ショスタコーヴィチの交響曲 人気ランキング

ある雑誌でショスタコーヴィチの交響曲のスコア(オーケストラの譜面)売上ランキングを開催したということです。

交響曲は、第15番までありますが、上位5位までを挙げると以下のようになります。

 

1.第5番 ニ短調  作品47 (1937年)

2.第7番 ハ長調  作品60 (1941年)

3.第9番 変ホ長調 作品70 (1945年)

4.第10番 ホ短調  作品93 (1953年)

5.第11番 ト短調  作品103 (1957年)

 

全体的に暗い雰囲気の曲が人気がなく、ダイナミックで躍動感がある曲が人気となっていると考えられます。

初めてショスタコーヴィチの交響曲を聴くという方であれば、上位にランキングされる人気曲を聴くのがおすすめです。

第14番や第13番辺りから聴いた方は雰囲気が暗すぎて、もう聞くのがイヤ!となってしまうかもしれません。

不動の1番人気 交響曲第5番

不動の1番人気 交響曲第5番

日本などのアジア圏のみ、「革命」という名前で呼ばれています。

一説によると、レコード会社の方が曲を聴いたイメージで付けたのではないかと言われています。

だから、他国出身の方の前で「革命が好きです!」と言っても、「え?」と分かってもらえないことが多いので注意してください。

ただ、第4楽章のティンパニと金管楽器の力強い音でインパクトがあり、最終的に膨れ上がっていって熱狂的に進む様子を聴くと、「革命」と名付けられてもいいのかもしれません。

ショスタコーヴィチ自身も、それまでの前衛的な曲が国の体制に合わず、反逆者と見なされて国家機関から批判を受けていました。

大規模な政治弾圧により、友人や親類などの身近な人が捕まったり、処刑されたりと大変な状況の中に置かれていたのです。

プレッシャーの中で作られた曲が、ロシア革命20周年に演奏し、国内外で絶賛されました。批判的な国の指導者からも揺るぎない評価を得ることになったのです。

この曲には、ビゼーが作曲したオペラ「カルメン」の曲が所々にちりばめられています。不倫相手が罪をなすりつけられて国外に亡命し、カルメンという男性と結婚したからとも言われていますが、何故使われたかはっきりとは分かりません。

その他にも、暗示的に体制批判が行われていると言われています。肝心のショスタコーヴィチがナゾを明かしていないので、様々な曲の解釈がなされています。

以前よりも高評価を! 交響曲第7番レニングラード

 

以前よりも高評価を! 交響曲第7番レニングラード

戦争三部作の最初の曲で、第二次世界大戦中にドイツに包囲されたレニングラードをテーマに作られました。

また、ショスタコーヴィチが「レーニンに捧げる」と発言したために、レニングラードという通称が付きました。

ナチスに対する批判が強いことから、ソビエトに共鳴する共産圏の国だけでなく、それ以外の体制の国内にも人気がありました。

しかし、ソビエト連邦側が国の体制を維持するための宣伝に使ったため、大戦後の冷戦終了後は共産圏以外の国から批判され、非常に評価が下がったのです。

しかし、ショスタコーヴィチの非公式な発言によると、曲を通じて「ナチスだけでなくソビエトの全体主義を表現した」と本人が言っていたと言われています。

「ショスタコーヴィチの証言」という書物では、レニングラードという土地が「スターリンに破壊されて、ヒトラーにとどめを刺された」と語っていたということから、ソビエト連邦に批判的だったと解釈されています。

このような言葉により、様々な国の人から評価されるようになり、全世界で曲の良さを見直す動きが出てきました。

日本国内では1990年にアリナミンVのCMソングで、第1楽章の戦争の主題が使われたことから、「ちちんぷいぷいの歌」と親しまれCD化もされています。

国の指導者に目を付けられた 軽妙な雰囲気の交響曲第9番

国の指導者に目を付けられた 軽妙な雰囲気の交響曲第9番

ショスタコーヴィチの交響曲の中では、比較的明るい雰囲気です。楽しい感じがする曲調で、ショスタコーヴィチの交響曲に初めて触れる方にもってこいの曲です。

第7番、8番に続き、9番まで合わせて戦争三部作と呼ばれ、最終の曲に当たります。

最終楽章でユダヤ民族の音楽が含まれていることから、第2次世界大戦後のナチスによる解放を表しているのではと言われています。

この曲は大戦に勝利した記念に作られていることから、国の政府関係者からはベートーベンの「第九」のように壮大で重厚な音楽を期待されていました。

しかし、前2作とは違って、明るく軽い感じの曲調が好まれることはありませんでした。

多くの民衆からは支持されて人気がありましたが、第7番で高評価を得たソビエト連邦の共産党側からは大変に憎まれて、いわれのないひどい批判を受けることになったのです。

一連の動きを党書記の名前を取って、ジダーノフ批判と言われ、ショスタコーヴィチに対して特に痛烈に行われました。以降は国に迎合するための作曲家活動を余儀なくされたのです。

しかし、迎合するふりをして、曲の中に様々な仕掛けをして批判の目をかいくぐっていると見られています。

自身の名前を曲に埋め込んでいる 交響曲第10番

自身の名前を曲に埋め込んでいる 交響曲第10番

耳の肥えたクラシック愛好者からは、交響曲の全15曲のうち最高傑作と評されています。非難された第9番からは、発表までに8年の時間を要しています。

スターリンの亡くなった直後に発表されたことから、既に出来ていたが、国から批判されてきたので、最高権力者が亡くなるのを待ってから発表したのではとも考えられます。

曲の音のつながり方に特徴があり、DSCH音型と呼ばれていて、ショスタコーヴィチの名前の綴りを元にアイディアが閃いたのではと言うことです。

(ロシアでは音程をドレミではなく、CDEというドイツ式で表します。)

こちらの以外の楽曲でも多く見られています。

教え子には、戦争3部作の真の最後の作品は9番でなく10番だという手紙を遺しています。

リストの「ファウスト交響曲」とメロディーが似ている所があることから、ファウストをショスタコーヴィチ自身、ファウストを誘惑した悪魔メフィストフェレスをスターリンになぞらえて表現したのではという見方もあります。

第3楽章では、教え子の女性の名前のイニシャルから取った音の繋がりの型を用いていることから、ただ単に取り入れただけなのか、他に何かの意味があるのではないかと研究する人もいます。

ロシア革命前兆の事件をテーマに 交響曲第11番 1905年

ロシア革命前兆の事件をテーマに 交響曲第11番 1905年

第11番には、ショスタコーヴィチ自らが「1905年」という題名を付けています。

作曲者が生まれる1年前に起きた、血の日曜日事件がテーマになっています。

この曲は、宮殿の前でデモを行っていた一般市民を発砲して危害を加えた事件で、これを契機に民衆の心が当時の皇帝ニコライ2世から離れ、ロシア革命へと動いていったと言われています。

こちらは非常に評価が分かれ、ソビエト連邦側の体制維持への宣伝音楽として使われたという意見と、歴史に残る事件を忠実に表したと考える人もいます。

ソビエト連邦が崩壊してからは、評価をする声が高くなり、見直す人が多くなっています。

第2楽章で、攻撃を加える場面は、それまでの軽快な音楽とがらっと変わる所にすごみを感じます。

一般市民が軽い気持ちでデモに参加する様子から、中盤から終盤にかけて小太鼓のリズムを契機に、砲撃の音が展開されていきます。リアルに響いてきて恐ろしいです。

第4楽章は勇ましい曲調で、このような市民を攻撃する事件を起こし、皇帝の体制が終わりを迎えると、警鐘を鳴らしているのを表現してます。

そのロシア帝国崩壊を暗示する、最後のチューブラーベルの音が重く響いて格好いいと評する方もいます。(チューブラーベルとは、のど自慢番組でお馴染みの歌の善し悪しを判定する時に鳴らす鐘のことです。)

ショスタコーヴィチ自身は、ロシア革命をあがめる気持ちは全くなく、指導者の独裁からソビエト連邦の崩壊を予想していて、第11番を作曲したのではとも言われています。

ショスタコーヴィチの交響曲の名盤

ショスタコーヴィチの交響曲の名盤

ショスタコーヴィチの名盤と言われる物の中でも、レニングラード・フィルの常任指揮者ムラヴィンスキー指揮の交響曲が評判が高いです。

実際にショスタコーヴィチと親交があり、第8番はムラヴィンスキーに献呈されたほどです。

古い録音のためCD化された時にノイズを消してしまったことから、非常にのっぺりとした印象になってしまったという声も聞かれます。また、初めてショスタコーヴィチの交響曲を聴く人には、クセがあって難しいという声もあります。

取っつきやすさで言えば、バルシャイが指揮した交響曲もおすすめです。

ショスタコーヴィチの弟子で、自分で資金を集めてケルンWDR交響楽団を指揮して全集の録音を完成させました。

父と共にレニングラード・フィルの指揮者を務めたマリス・ヤンソンス指揮のショスタコーヴィチのCDも名盤とされ、おすすめです。

両者とも他の指揮者と比べ、派手さがなく、淡々とし過ぎるという批判もありますが、誇張がなく冷静に音を表現していて好印象と言う人も多いです。

世界の名だたる指揮者がショスタコーヴィチの交響曲を演奏していますが、ロシアと関係の深い指揮者によるCDが名盤と評価されていることが多いです。

地元ならではの空気や楽器の音を引き出せるからだと思われます。

まとめ

クラシックと言うと、盛装してかしこまって聞かないといけないというイメージを持つ方もいます。でも、今聞いている現代音楽だって、時が流れればクラシック音楽になります。

CDやストリーミング配信を自宅で気軽に聞くなら、自分が良いと思ったのを試し聞きするように楽しんでいいんです。

ファンには「ショスタコ」と親しまれるショスタコーヴィチ、難解な曲も多いし、あまり聞いたことがない作曲家だしと思われるかもしれませんが、CMやドラマの中で使われていることも多いです。

ぜひ、CDの制作・販売会社からYouTubeで配信されていることもあるので、ぜひ聞いてみて楽しんでみてください。

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