雑記

サッカーとフットボール、どっちが正しい?語源をイギリスから探る!

ふだんはあまりサッカーに関心がない人でも、4年に1回はその名を耳にしますね。

ワールドカップが開催されると、意識しなくともいろんなメディアを通してサッカーに関する情報が流れてきます。各国の選手たちが威信をかけて熱戦を繰り広げる姿に、見る者は心を奪われてしまいます。

そんな人々を魅了してやまないスポーツに隠された秘密を紹介していきたいと思います。

 

そもそも「サッカー」の起源は何なの?

 

「モブ・フットボール」と呼ばれる無秩序な格闘技のようなサッカーにその原型を見ることができます。試合を行うのは特定の場所ではなく、道端や繁華街などがフィールドになっていました。宗教的な祭りの期間に行われることが多く、近隣の街どうしや仲の悪い街どうしでの対戦でした。

動物の膀胱を膨らませたものをボールの代わりとして使い、参加者に限りはなく、時間も制限がないので、数百人の集団が1日中もの間、それに興じることも珍しくはありませんでした。

勝敗はあらかじめ設定した場所にゴールをすることで決まりましたが、現代では反則と見なされる行為が認められていたのでケンカに発展することもありました。

ですから、街中のいたるところがフィールドと化してしまい、乱闘騒ぎは当たり前で、ケガ人は出るわ、家屋が壊されたり、泥棒に入られたりすることもあり、被害防止のためにバリケードを準備していたそうです。

驚くことに、ダービーシャー州のアッシュボーンにおいて1年に1回、現在でも行われている地域があります。

 

「サッカー」と「フットボール」って言葉が生まれた経緯

 

一般的に日本人は、11人制でボールを相手のゴールに蹴り込むスポーツを「サッカー」と読んでいます。しかしながら、イギリスにおいては「サッカー」よりも「フットボール」と呼ぶ方が普通です。

同じスポーツを表しているのに、このような違いが生じた歴史的な流れを話していきたいと思います。

禁止された「モブ・フットボール」!そのワケは?

そして、ついに恐れていた事態が起こってしまいます。1321年のこと、モブ・フットボールに興じていた男性がナイフで相手チームの男性を刺殺する事件が起こってしまいました。

当時の王であるエドワードⅡ世は、これに熱狂する市民たちの姿を快く思っておらず、1314年には兵力の弱体化を危惧し、禁止することを決めました。追い打ちをかけるように、これを行ったものは捕えられ投獄されるという法律まで誕生しました。

16世紀になると女王エリザベスⅠ世は、さらに厳しい処罰を課すように強化していきました。

「フットボール」が袂を分かつ時

再び17世紀初頭には法律で、このスポーツが認められるようになりました。しかし、当時は厳密なルールが規定されておらず、現代のサッカーやラグビーの要素が混在したものがフットボールと呼ばれていました。

19世紀には、イングランドのハイクラスな子弟が通うパブリックスクールで体育の授業で行われるようになりましたが、学校ごとにルールが異なり混乱を招いていました。そこで1863年に、フットボールのルールを決める会議が開かれましたが、合意を得ることができずに2つに分かれてしまいました。

1つは、イートン校が主張する足のみで行う

「Association Football(協会式フットボール)」

です。

もう1つは、ラグビー校が主張する手も使える、「Rugby Football (ラグビー式フットボール)」です。

「サッカー」は俗称から生まれた!?

現代の若者が言葉を縮めて使うように、当時のイギリスにおいても同じようなことが起こっていました。「Association Fottball」から「soc」という俗称が誕生。19世紀後半になると、そこに「c」をもう1回重ね、行為者を示す「er」とともに合わせて、「soccer」と呼ばれるようになりました。

これが「soccer」という単語の起源であり、協会式フットボールの略称を意味するものでした。イギリスにおいては「soccer」は協会としての意味が強く、スポーツそのものを表す際には「football」という呼称が一般化していきました。

アメリカへの伝播

アメリカには、「協会式フットボール」と「ラグビー式フットボール」の2つとも伝わりました。が、人気を博したのは「ラグビー式フットボール」で、しかもそれから派生した「アメリカンフットボール」までもが生まれたのです。

しかも、「アメリカンフットボール」が1番の人気となってしまい、「フットボール」を源にするスポーツが3つも混在することになりました。ここで、「サッカー」、「ラグビー」、「アメリカンフットボール」の呼び分けが定着していくことになります。

日本に「サッカー」が伝わったのは?

1873年、英国海軍のダグラス少佐によって初めて伝えられましたが、広く普及するまでには至りませんでした。国内へサッカーを広めたのは、米国人の教師に学んだ体操伝習所(現筑波大学)の卒業生だと言われています。

米国人に教わったことにより米国式の呼称である「サッカー」が日本国内においては市民権を獲得していきました。元々は協会式のフットボールの略称だった「サッカー」という単語が、このようにして日本においては一般的なったのです。

ちなみに、日本サッカー協会の英語表記は、

「Japan Football Association」

であり、サッカーという英単語は使われていません。

まとめ

現在のサッカーの原形となったのは、イギリスのモブ・フットボールと呼ばれるものです。統一したルールを決める際に交渉が決裂し、協会式フットボール(サッカー)とラグビー式フットボール(ラグビー)に分かれました。

そして、これらがアメリカにもたらされると、ラグビー式フットボールから派生して、アメリカンフットボールが誕生し、フットボール由来の3つのスポーツが存在することに。

日本においてはアメリカ人の教師から学んだ生徒たちが卒業し、赴任先でサッカーを広めていきました。このように見ると、「サッカー」と「フットボール」のどちらも正しいと言えますが、多くの国においてはフットボールの方が一般的に使われています。

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