これから社会保険労務士の受験を考えているけど、いまいちその受験資格の項目がわからない方!
また、そもそも社会保険労務士って一体どんな職業で、どれくらい難しいのかよくわからないという方!
今回は、そのような方々に向けてこの記事を書きました。
ぜひ、受験の参考にして頂けたら幸いです!
社会保険労務士って何?
社会保険労務士とは、簡単に言うと、企業の労働問題や紛争の解決、個人に対しては年金の相談や裁判の際の補佐人という役を引き受けたりするお仕事です。
社会保険労務士法という法律に基づいています。
具体的な業務内容は、人事に関する相談への対処、各種社会保険にかかる書類の作成、メンタルヘルスへの対応、就業規則の作成、社会保険事務所等による調査への対応など様々あります。
企業内に社会保険労務士がいるとこうした手続きを円滑に進めることができるのです。
社会保険労務士の受験資格がよくわからない!
では早速、受験資格について見ていきましょう!
まず高卒の場合の社会保険労務士の受験資格ですが、結論からいうと受験資格はありません…
でも、ここで諦めてはいけません。
社会保険労務士の受験資格はいくつかのルートがあって、現時点で高卒で受験資格がなくとも、そのルートを辿っていけば受験資格を得られるようになります。
社会保険労務士の受験資格は主に3つのルートに分かれています。
1つ目は、学歴です。
こちらの条件について、簡単にまとめますと、大卒、短大卒、昔の法律で定められた学校卒、政府が認めた学校卒、専修学校卒ですと、受験可能となっています。
2つめは、実務経験です。
こちらは、公務員経験や弁護士の補佐など、法律に定められた法人、郵便局や労働組合等で働いた経験がある方が対象となります。
また、勤続年数はどれもだいたい3年以上が必要とされています。
最後は、資格です。
主に厚生労働大臣が定めた資格、司法試験関連の資格、行政書士の資格がある方が対象となります。
高卒で社会保険労務士の受験資格を得るためには、公務員や弁護士を一定期間経験するか、行政書士または司法書士の国家資格を取得するかなどが主なルートとなります。
先に、公務員勤務を3年経験するか(この場合は、郵便局や全国健康保険協会、日本年金機構でもほぼ同じです)、受験制限のない行政書士の資格をとって受験するかのどちらかです。
社会保険労務士の難易度ってどうなの?
社会保険労務士の難易度ですが、こちらはかなり難しい部類に入ります。
合格率の割合は、毎年、5-10%の間を行き来しています。
勉強時間で言えば、おおよそ1000時間かかるとされています。
受験する人は、主に会社員の方の割合が多いようです。
この割合は、先に述べた実務経験の受験資格とも関係があるのではないかと思います。
また、受験する年齢層も比較的均等で、20代でも受験する人は割合としては少なくないです。
試験内容を見てみると、全て選択式で、択一式と選択式の2種類があり、問題数は選択式が8問、択一式が70問の合計78問出題されます。
具体的な試験内容は、主に、労働基準法や雇用保険法などの労働関係と、健康保険法や国民年金法などの社会保険関係の法律の中から出題されます。
の中から出題されるようです。
このように範囲がとても広いことも、合格者の少なさに影響しているかもしれません。
次に、宅建の方を見てみましょう。
宅建の試験もすべて択一式で記述式はありません。
問題数は50問で4つの選択肢の中から選択します。
具体的な試験内容は、宅建業法、権利関係、法令上の制限、その他の法令から主題されます。
問題数で言えば宅建の方が少なく取り組みやすいと言えます。
また、勉強時間もおおよそ300時間と、社会保険労務士と比較してもそれほど多くはなく、お仕事が終わって1日1時間勉強するとしても、多くても10ヶ月で終わる計算となり、1年後の受験には十分間に合うと言えるでしょう。
また、最近ではスマホもありますからアプリなどを入れておけばこの時間はさらに短縮できるでしょう。
こうした法律関連の資格の勉強の仕方ですが、やはり、取り組む前に法律の文章が多いだけで嫌になってしまいますよね…
そういった場合は音声で法律の文章を聞くと、読まなくて良いので楽に条文が頭に入ってきます。
また、落ち着いて音声を聞きながら条文を眺めることができるので、条文の取りこぼしも少なくなります。
こちらの資格を受験される方々は時間があまりない方がほとんどだと思うので、倍速で聞くのもオススメです。
ネットで検索すればこういった読み上げのサービスはすぐに出てきます。
択一式なのでどれか一つは選択するように心がけましょう。
こういった法律関連の資格はそれぞれの資格で扱っている法律は異なりますが、一度、一つの資格を取得できれば、後の資格の勉強にも応用できるのではないかと思います。
特定社会保険労務士ってなに?
社会保険労務士になったのちに、さらに労働関連の法律に特化した試験を受け、社会保険労務士のための協会へと登録をする事で、特定社会保険労務士へとなれます。
ここでいう、追加の試験とは紛争解決手続代理業務試験のことを言い、協会とは全国社会保険労務士会連合会のことを指します。
この特定社会保険労務士になると、社会保険労務士の業務の中でもADRの代理を請け負うなど、労働問題に関する部分を専門とすることが可能となります。
ADRの正式名称は裁判外紛争解決手続で、具体的には、労働に関する問題が発生した場合に、裁判によらずに話し合いで解決を図ることを意味します。
ADRで本来取り扱う紛争の種類は、交通事故や離婚、お金の貸し借り、騒音や通販などの消費面でのトラブルなどですが、特定社会保険労務士はこのうち、個人と企業の間での労働に関係する紛争を処理します。
具体的な業務内容は、政府が指定する団体が行うADRの代理、個別労働関係紛争解決促進法や男女雇用機会均等法などの労働関連の法律にかかる調停やあっせんの手続の代理、また、和解契約の手続も行います。
このうちあっせんとは、個人と企業の意見の食い違いなどに対して、両者が顔を合わせないように、この場合は特定社会保険労務士が意見等の伝達などを代わりに行うことを意味します。
研修の内容は、特定社会保険労務士の役割と職責、倫理、憲法や民法などの法律関連となります。
紛争解決手続代理業務試験はマークシート式ではなく記述式です。
内容は、各法律を理解していることを前提として、問題があった場合にそれらの法律をどう現場に生かすのかという点から出題されているようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
社会保険労務士は、資格試験の中でも難易度の高い部類に入る資格です。
また、他の資格試験と違い、受験資格も少し複雑でわかりにくい面もあるかと思われます。
受験される際はぜひご自身の受験資格の該当項目についてよく確認し、一回で合格できるよう頑張りましょう!